金沢大学 保健学専攻融合Activity拠点

地域在住者を対象とした皮膚とスキンケアに関する調査 ー60 歳以上の女性についてー

繁田 佳映* 須釜 淳子* ** 西澤 知江* 光村 実香* 大竹 茂樹* ***

* 金沢大学医薬保健研究域附属健康増進科学センター
** 金沢大学医薬保健研究域保健学系臨床実践看護学講座
*** 金沢大学医薬保健研究域保健学系病態検査学講座

はじめに

 健康増進科学センターでは「新たな健康指標」を模索するなかで、皮膚に着目した取り組みを行っている。皮膚は人体で最大の臓器であり、表面には多数の細かい皮溝と呼ばれる溝が刻まれているという特徴をもつ。その主な機能は、水分の喪失や透過の防止、微生物や物理化学的な刺激からの防御などである1)。これら皮膚の形態と機能、具体的には色・つやの変化、痛み、かゆみ、発疹などが個人のスキンケア、衣食住、睡眠・運動、排泄等の日常生活行動と密接に関連し変化していることを実感し、自らの健康指標として活用している者も多い。しかしながら、健康人を対象とした日常生活行動と皮膚の形態、機能との関連について明らかにしたものはない。
 今回パイロット調査として、地域に在住する者を対象に皮膚生理機能と形態、および皮膚に直接影響を与えると推測される日常生活行動のスキンケアの実態について調査したためその結果を報告する。

Key words: 皮膚生理機能, 皮膚形態, 高齢者, 環境, スキンケア, skin physiology, skin texture, elderly, environment, skin care

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