金沢大学 保健学専攻融合Activity拠点

一中規模企業労働者のメンタルヘルスに関する実態調査

西澤 知江* 須釜 淳子*,** 河合 薫*** 繁田 佳映* 光村 実香* 大竹 茂樹*,****

* 金沢大学医薬保健研究域附属健康増進科学センター
** 金沢大学医薬保健研究域保健学系臨床実践看護学講座
*** 東京大学非常勤講師
**** 金沢大学医薬保健研究域保健学系病態検査学講座

はじめに

 本邦では、6割以上の労働者が仕事に強い不安やストレスを感じているが、メンタルヘルスケアに取り組む事業場の割合は33.6%と少ない。また、年間約9,000人の労働者が自殺している1)。そこで、厚生労働省は2011年度より、企業の健康診断において、うつ病などの心の病に関する検査の義務付けを目指し、国全体としてメンタルヘルスの問題に着手し始めている。一方、中小企業では、事業所の規模が小さいほどメンタルヘルス対策への関心、実施率は低い傾向にあるのが現状である2)
 当センターは、地域と連携して健康増進科学を展開し、科学的根拠に基づく健康増進行動を支援している。本稿では、地域労働者、特に中規模企業労働者におけるメンタルヘルス対策に取り組むべく第一段階として、一中規模企業労働者のメンタルヘルスに関する実態調査を行ったので報告する。

Key words: 中規模企業、労働者、メンタルヘルス、ストレス、抑うつ, medium-scale enterprise, workers, mental health, stress, depression
文献:
1) 厚生労働省ホームページ. http://www.mhlw.go.jp/index.shtml 2011/04/01
2) 労働調査会:日本産業精神保健学会編:職場におけるメンタルヘルス対策, 精神障害の労災判定「判断指針」対応, 東京, pp 225, 2000

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