金沢大学 保健学専攻融合Activity拠点

運営システム別にみた通所サービス利用者の自宅と施設の日常生活動作の比較

光村 実香, 染矢 富士子

【はじめに】通所サービスでは自立支援に沿って利用者へのサービスが行われ、利用者の日常生活能力の維持・向上を図っている。しかし自立支援の取り組みやサービス提供方法は施設によって異なる。本研究では提供されるプログラムや時間を利用者が選択する運営システムをグループA、サービスやその時間が規則的に決められている運営システムをグループBとし、運営システムの違いと利用者のADL自立度の関連性を検討した。【方法】対象者はグループAの2施設の利用者46名、グループBの3施設の利用者40名である。自宅と施設のADLの評価は機能的自立度評価法(以下、FIM)を用いた。【結果】自宅のFIM総点の比較では両グループ間に差は認めなかった。自宅と施設のFIM総点の比較では、グループAでは施設の得点が高く、グループBでは施設の得点が低かった。項目別の比較では、グループAでは自宅より施設で排尿管理、排便管理、ベッド・椅子・車椅子の移乗、浴槽・シャワーの移乗、階段、理解、表出の得点が高かった。またグループBでは自宅より施設の整容、更衣上半身、更衣下半身、ベッド・椅子・車椅子の移乗、理解、表出の得点が低く、浴槽・シャワーの移乗は施設の得点の方が高かった。【結論】通所サービスでのプログラム内容や遂行時間を利用者が自主的に選択できると自立度が高まり、プログラム内容や提供時間が規則的に決められていると自宅に比べ自立度が低くなることが示された。

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