「自分史の樹」ツールは、難しい専門知識を有しない若い学生であっても、手軽に楽しく高齢者のお話をお聴きすることにチャレンジできる、金沢大学発信の新しいコミュニケーションツールです。このツールを用いることによって、お年寄りが学生とともに「新たな今を創りあげる」ことができるのです。高齢者は若い学生に自分史を語ることによって喜ばれます。一方で学生は、高齢者からお話を聴くことによって自分の勉強になり、コミュニケーションの訓練にもなります。この「自分史の樹」ツールを用いることは、新しいケアを創り上げるプロセスになると考えました。
そこで今回、「自分史の樹」講座と銘打って、保健学類の看護、検査、放射、理学、作業の5専攻から学生を募集しました。放射から2名、検査から1名の学生さんたちが参加してくださいました。天野良平先生を講師に迎え、自分史の樹、コミュニケーション技術、聞き書きなどについて、講義と演習を行いました。そして実際にゲストの方にお話をお聴きし、現在テープ起こし中です。あとは製本し、ご本人にお渡ししたら終了です。
残念ながら、コミュニケーションについて最もよく学んでいる看護、ならびに理学と作業からの参加はありませんでした。しかし、今回の講座を通して、看護以外の4専攻の学生さんたちが、この「自分史の樹」ツールを用いてコミュニケーションを学ぶ意義と重要性を考える機会となりました。今後、保健学類として学生たちとともに、このコミュニケーションツール「自分史の樹」を育てていきたいという夢を抱くようになりました。