金沢大学 保健学専攻融合Activity拠点

保健学に役立つエコープロジェクト
産後の授乳姿勢による母親の疲労と改善プログラムの研究

看護に役立つポケットエコーを用いたアセスメントプロジェクト

産後の授乳姿勢による母親の疲労と改善プログラムの研究


超音波診断装置Noblus(日立製作所)

メンバー
金沢大学医薬保健研究域保健学系看護科学領域
 小西佳世乃 助教
金沢大学医薬保健研究域保健学系リハビリテーション科学領域
 間所祥子  助教

妊娠した女性は、妊娠期から腹部増大に伴った姿勢アライメントが変化し、マイナートラブルとして腰痛の訴えが多くみられるようになり産後も継続する場合もあります。また、母乳育児は母児の愛着形成を強め、赤ちゃんと母親や社会における利点が多く、世界的に推進されています。その母乳育児のスタートは分娩直後からの早期接触から始まり、継続した頻回な授乳と適切なPositioning<授乳姿勢>の保持、Latch-on<乳房の含ませ方>が重要となります。そして、産後の母親は授乳のみならず、赤ちゃんの抱っこや沐浴、家事など、その後も多くのことを担っており、母親の蓄積した疲労は、産後うつ病の発症や母子の愛着形成阻害に関連するといわれています。しかし、産後の母親の身体的疲労を客観的な数値として示す研究がされておらず、その改善方法についても課題が多く未確立です。
このプロジェクトでは妊娠期や分娩期、産褥期、そしてその後の育児期を頑張るママたちへのケアを行うことを目的としています。その一環として、現在は授乳時の疲労(硬くなった筋肉などの軟部組織の変化)を、超音波エラストグラフィ(Real-time Tissue Elastography)を用いて客観的に評価し、母乳育児を行う母親の身体疲労を軽減するための効果的な介入プログラムの開発に取り組んでいます。これにより産後の母親の疲労を最小限にし、母子と家族の愛着形成や絆を深め、さらにはセルフケア能力を高めることで、その後の健康増進に寄与すると期待しています。
今後はママたちへのケアを検討し、その効果を示していくことで母子とその家族のウェルネスが向上し、地域で活き活きと健康的な生活を送っていけるように支援することを目指しています。

妊娠期・産後の授乳姿勢の変化

ページのTOPへ